Web Audio APIについて(2)「出力される音楽のパラメーターを変更する」

最近、Device関連のHTML5 APIが盛り上がっています。
この記事はWeb Audio APIに関する記事の続きです。

頑張ると、色々とスゴいコトもできてしまうWeb Audio API
最終的にHTML5 Advent Calendar向けにまとめますので、まとめて読みたい方は12/7までお待ちください。

とりあえずデモ

一番簡単な「音楽のボリュームをコントロールする」デモです。

  • startボタンを押すとSVG girl themeが流れます
  • スクロールバーで音量を調整できます。

これはなに?

Web Audio APIでは音源(AudioSourceNode)と出力(AudioDestinationNode)を繋ぐことによって音楽を出力します。

音楽に何かしらの効果をつけたい場合は、AudioSourceNodeとAudioDestinationNodeの間に効果に応じたNodeを繋ぐ必要があります。
今回は音量を調整するために、AudioGainNodeを接続しました。

AudioGainNode自体はAudioContextから生成することができます。

var context = new webkitAudioContext();
var gainNode = context.createGainNode();

繋ぐ部分はAudioSourceNodeとAudioDestinationNodeの間です。

//AudioSouceNode
var source = ('AudioSouceNodeを生成する処理');
source.connect(gainNode);
gainNode.connect(context.destination);

AudioGainNode.gain.valueを変更することで音量を調整できます。
今回のサンプルではrangeオブジェクトで調整できるようにしました。

var range = document.getElementById('range');
range.addEventListener('change', function(){
    gainNode.gain.value = this.valueAsNumber;
});

もう一つデモ

複数の音源があるパターンです。

このパターンでは各音源にAudioGainNodeを生成することも出来ますが、
全体の音量を調整するためのAudioGainNodeが必要になってくるでしょう。

また、複数の音源を統括するためにCompressorNodeの使用も検討する必要があります。

CompressorNode ?

DynamicCompressorNodeはWeb Audio APIによって再生される個別のサウンド数が多くなることで、歪んだ音声をスピーカー出力してしまう現象を避けるために、全体の信号レベルを制御し同時再生させるための機能です。

各AudioSourceNodeとつながったDynamicCompressorNodeとAudioGainNodeを接続することで、全体の音量を調整することが出来ます。
図で表すと以下のようになります。

このようにWeb Audio APIではさまざまな効果を付加するNodeと音源を接続し、DynamicCompressorNodeに集約することで同時に歪み無く出力することが出来ます。

次回は趣向を変えて音源のデータを可視化してみます。